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Solo Exhibition by Kyoko Shindo
新藤杏子 個展
Memorandum
YUKI-SIS では、2021年3月6日(土)-3月20日(土)新藤杏子個展 Memorandumを開催いたします。
1982年東京生まれ。2007年多摩美術大学大学院美術研究領域を卒業。YUKI-SISでは6回目の個展となります。
想像と現実の狭間にある「いきもの」の営みを描き続けてきた新藤杏子は、現代の風俗画ともいえる世界観を、「光と闇」、「生と死」、「善と悪」などをテーマに、いきものの根源的な姿として描き続けてきました。
ダイナミックな筆使いとユニークな着眼点で、水彩や油彩など数多くの作品を発表してきた新藤杏子の今回の展覧会テーマは[Memorandum]です。今回新藤杏子の新作は、この一年間の毎日の写真やメモ、経験から作品のイメージを構築したといいます。
8月31日プールサイド 2020
220 × 273 mm
Oil on Canvas
1年あまり前に突如現れた新型コロナウィルスによって、全世界中の人々の生活は、多大な影響を受けています。
「けれど、こういった思いを皮肉にも平等に世界中の人が共有するということも、生きている中で初めての 経験だったのではないかと思います。」
近年、グローバル化した社会になったことにより、逆に100年前のスペイン風邪以上にウィルスの力を増幅させてしまった世界。同じような状況に遭遇した世界中の人々には、文化や民族、政治、経済の違いはあれども、同じように影響を受けた彼らの日々の生活があり、ニュースや記憶にも残らない些細な日常の気付きがあります。同じ困難を目の前にして、人がどのように考え、どのように対処するのか、今こそ「同じ願い」を、世界共通の感覚を身近に感じ得る唯一の機会がやってきたとも言えます。
歴史上には新型コロナウィルスが蔓延したという事実は残りますが、私たちのこまやかな日々の気付きや感情はあっという間に過ぎ去り、消え去り、あいまいな形に変わっていってしまいます。
目に映る日常やいきものの営みをテーマに描き続けてきた新藤杏子にとって、日々のまさに「覚書」を絵に残す、感情を紡ぐという行為は、コロナ禍にある作家だからこそ残せる、価値のあるものであると思います。私たちのすき間だらけの記憶や感情は、彼女の絵をきっかけに、その瞬間、時空間に手繰り寄せられる気がします。まるで嗅覚や聴覚により、タイムスリップしてしまう感覚のように。
夏の終わりの話 2020
220 ×273 mm
Oil on Canvas
【Memorandum】
ー覚え書き。あるトピックに関する出来事や観察結果を記録することにより記憶を助ける行為(wikipediaより)ー
それは、日記にも満たない、名前がつけられない日常の覚書である。
日々の生活や営みを継続していく中で物事が過ぎ去っていく速度は自分が想像しているより早い。
何気ない日常は記憶に留まることなく、自分の手元からこぼれ落ち、落としたことも忘れたまま過ぎていってしまうのだ。
その時何をしていたか、その日にどんなことをしたかは覚えていても、その瞬間の記憶や感じ方は過ぎ去って行ってしまって、私の頭では到底全部を覚えていることはできないのだ。
日常の中に取りこぼして行ったものを無作為に拾ってみれば、その情景はもしかすると誰かの記憶や経験にリンクされていくかもしれない。
私が取りこぼしたものを違う誰かは大切に抱えていてくれているかもしれな。い
そうした他愛のない毎日の連続が、誰かと結ばれたり離れたりしながら、営みは蓄積されていく。
新藤杏子
夜の夢 2021
220 ×273 mm
Oil on Canvas
Touch and Go 2021
220 ×273 mm
Oil on Canvas