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Gallery YUKI-SISでは、8月18日より熊谷聖司展 「Focus」を開催致します。
熊谷聖司は1966年北海道生まれ。1994年第十回写真新世紀公募優秀賞(南條史生氏選)『第三回写真新世紀展』にて年間グランプリ受賞。現在、東京とパリで作家活動を行っています。今までに写真集を7冊刊行。昨年のParis Photo, Off Prints Art Fairでの発表では、多くの写真ファンに彼の作品をアピールしています。
今回のGallery YUKI-SIS での個展「Focus」では、1999年より彼が撮りためてきた「アウト・オブ・フォーカス」の写真、いわゆるピントのあっていない写真のシリーズを発表致します。
普段私たちの目に映るものは、それぞれの人の視力に応じて、見えている景色の色や見え方も異なります。俗にピントがあった世界というものは、何かを判断する上でのひとつの価値基準でしかなく、その世界とパラレルにピントのあっていないそれぞれの世界も存在する、ということになります。
その世界では、不安定さを補正するために、人々は無意識に想像力や記憶との合致を試みます。ぼんやりとうつろう景色には、通常の基準となる見え方とは異なる世界が存在し、その世界にしかありえない「間」の美しさを感じとることができることでしょう。
写真を撮る時、人はピントを合わせて撮影する。
それが世の常であり、昔も今もその事は変わらない。
ピントがはずれている写真は、いわゆる失敗した写真、よく写っていないものとして処理される。
今日ではデジタルカメラの普及、その他のソフトの向上により、撮影後もある程度修正がきく時代となった。
1999年からピンボケの写真を撮り始めた。
撮り始めたきっかけは、視力が良くない自分は、眼鏡で矯正してふだん生活しているが、
眼鏡をはずしたとたん、世界はあやふやになる。
その世界を写真で撮影することで、何が見えてくるのか知りたかったのである。
2001年「Bible Kumagai Seiji」
2005年「あふれる/白い」
2006年「焦点」
2007年「Focus」
4回の写真展を行ってきた。
ピンボケの写真がかもしだす独特の世界を見続けることにより、「作品に何が写っているのか」よりも、「どのような感情が湧きあがってくるのか?」
その事がとても大切に思うようになった。
その後「あかるいほうへ」シリーズ「THE TITLE PAGE」「EACH LITTLE THING」
と続いていくが、ピンボケの写真を撮影し続けた8年間が、これらの作品に多く影響している。
ピントが合っている事による安心感、ピンボケによる不安感、不安定感それらをひっくるめて作品に反映していきたいと思います。
11月に「FOCUS」シリーズから生まれた作品「ひとつ」をパリで展示します。
熊谷 聖司