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ヤン・カルスキ 展 Jan Karski Exhibition
この度YUKI-SIS では、10 月10 日(金)-10 月13 日(火)、ポーランドの歴史的人物、ヤン・カルスキ生誕100 周年記念の展覧会となる、ヤン・カルスキパネル展を開催致します。
今回の展覧会では、ポーランド地下国家の秘密連絡員として、ナチスによるユダヤ人虐殺の事実を英米の政治指導者に伝えるという特別な任務を果たしたヤン・カルスキの、壮絶な人生を物語る資料ともいえる貴重なポスターパネルを22 枚展示致します。
ヤン・カルスキこと本名ヤン・コジェレフスキは、学業優秀で外交官となりましたが、まもなく第二次対戦が勃発。祖国ポーランドはドイツとソ連に分割され、彼は始めソ連赤軍、ついでナチスの捕虜となりました。そこでゲシュタポによる激しい拷問に遇い自殺を図りますが、搬送先の病院からレジスタンスの同士によって奇跡的に救出され、その後数々の偽名や身分を使いながら(最終的なコードネームはカルスキ)、並外れた語学力と記憶力を武器に、地下活動を続けるポーランド国家に奉仕しました。
1942 年、ユダヤ人指導者らの依頼でワルシャワ・ゲットーや強制収容所に潜入。ナチスによるユダヤ人大虐殺を目撃し世界に伝えるという任務を負います。密史カルスキの報告は、ホロコーストの事実を外部に伝える最初期の証言となりますが(ルーズヴェルト米国大統領やイーデン英国外相にも接見)、列強は様々な思惑の中これを黙殺。結局ユダヤ人を救う有効な措置はとられなかったのです。
偽名のまま合衆国にとどまったカルスキは、1939 年から1943 年にかけて体験した一部始終をまとめた手記、Story of a Secret State (邦訳 「私はホロコーストを見た」)を1944 年ニューヨークで刊行。たちまち大ベストセラーとなりましたが戦後はながらく絶版。カルスキも30 年以上沈黙を守り、大学教員として静かに暮らします。やがてフランスのランズマン監督の「ショアー」(1985)の証人として再び世間の注目を集めます。2000 年没。2012 年にオバマ大統領は、アメリカ合衆国が民間人に授ける最大の栄誉である、大統領自由勲章をヤン・カルスキに授勲しました(死後授章)。