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Boundary in Black & White
YUKI-SIS では、9月24日(土)-10月8日(土)土ヶ端大介個展「Boundary in Black and White」を開催いたします。
2008年、東北芸術工科大学日本画修士課程修了。YUKI-SIS では2回目の個展となります。
土ヶ端大介は在学中より、伝統的な日本画の手法と、相反する大量生産されるストッキングという素材を使って作品制作をしてきました。
自然に囲まれた環境に住む土ヶ端は、昆虫や鳥、魚、自然物のあり方、生物が避けて通れない「生と死」をモチーフに作品を発表してきました。やがて2013年のNew York, Rare Gallery での展覧会を機に、架空の都市と地球、宇宙をモチーフにした制作をはじめます。
黒ストッキングの素材は人工的な産物として、和紙と日本画の画材で作られる白の余白を自然物として捉え、この大量消費されるモノと伝統技法を対比させ、「いつかなくなってしまうもの」と「永遠に存在するもの」に置き換えて描きはじめたのです。
画面の中に浮かぶ、銀箔で描かれた月。その位置は、実際にはありえない下方に存在し、まるで都市が宙に浮かんでいるようにも見えます。人工的な都市や建物、そして私たちの住む世界と小さな生物の世界を、自然と対比し俯瞰した視線からは、大きな宇宙のような存在に命を与えてもらってそれらが存在し、やがて消えている過程を感じさせます。炭色の顔料は溶け出し、調和を保ってきた私たちの地球が崩れ落ちて星屑のように宇宙に溶けていき、また生まれかわるようです。
喪失と再生。展覧会のテーマである「白と黒の境界線」では、普段私たちが気づかない、宇宙の中の私たちの存在に気づかせてくれます。古代から現代へ、私たちは同じような過ちを繰り返しながら、ずっと生まれ変り続けているのかもしれません。
Boundary ~The sky and the city 03~
53.0cm×45.5cm(F10)
和紙・パンティストッキング・糸・顔料・銀箔
2015
Boundary ~The Sky and the City 02~
42.0cm x 29.7cm (A3)
和紙・パンティストッキング・糸・顔料・銀箔
2015
Boundary~The Birth of the City 02~
42.0cm x 29.7cm (A3)
和紙・パンティストッキング・糸・顔料・銀箔
2015
Artist note
「白と黒の境界線」
風景を見ているときに、無意識のうちに自分が把握している「いつかは無くなってしまうもの」と「永遠であるもの」。
それはその時の自分の気持ちによっても変化するものであり、その時の心境で変わる境界線。
無くなっていくものを「黒」、永遠であるものを「白」、として捉えた。
例えば、街並みを見ているとき、建物は「黒」であり、その後ろにある空は「白」である。
でも、視野が変わった時には、地球が「黒」で、その周りにある無意識にも近い存在である宇宙が「白」である。
どちらかというと今回は、見たものを描くというよりは、僕の記憶として残っている感覚を中心に、それらを再構
築して生まれた景色を描いた。
僕には、世の中のものすべてが「黒」と「白」で出来ているように思えて仕方がない。
「黒」と「白」は色であって色でないもの。「影」と「光」のようなものだと思う。
もし色を使うとしたら、それは現象を想像させるきっかけにしか過ぎない。
土ヶ端 大介
Boundary~A house and the cliff~
25.7cm x 18.2cm (B5)
和紙・パンティストッキング・糸・顔料・銀箔
2015
Boundary ~On the Rock~
33.3cm x 24.2cm (F4)
和紙・パンティストッキング・糸・顔料・銀箔
2015