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菊池史子展
菊池史子個展  「あったようななかったような」

菊池史子は1986年生まれ。2009年日本大学藝術学部(芸術学科絵画コース/版画)を卒業後、渡独。現在ベルリンで作家活動を行っています。

 

版画を専攻していた彼女は撮りためた写真を厳選し、版画で使う雁皮紙や洋紙に染料を写し取り作品を仕上げています。どこかで見たことがあるような、デジャヴ-既視感を起こすような作風は、人の奥底に潜んだ記憶にそっと寄り添い、時とともに薄れ消え去っていく風景、人の感情、人とのかかわりを思いおこさせてくれます。

 

今回の個展のタイトルは「あったようななかったような」。フロイトの自由連想法と精神分析理論から着想を得たという「防衛機制」をテーマに、ベルリンに活動の場を移した彼女の目に映る景色をぜひ共有してください。

 

 

森、少女、横顔

森、少女、横顔

56cm × 75cm

モノタイプ

2012

菜の花、少女

菜の花、少女

56cm × 75cm

モノタイプ

2012

 

Artist Note

『なぜ、直接的に描かないのか、なぜ、「版」を使用するのか、そもそも、現代において「版画」とは一昔前のものでありナンセンスではないのか。』
という小さな自問自答は「版画」という表現媒体に初めて関わってきた時から何回、何万回と繰り返してきました。しかしそんな時私を奮い立たせるのはいつも「版画」の持ち得ている「社会」との関係の取り方でした。私は現代における私の版画作品が、古来の浮世絵に見られるように、その時代の社会の情報や状況を「伝達」するという機能、そしてそれを後の世界に「伝承」するという役割。さらに私は写真を使用して作品を作っているので、上記で述べた特色の他に「報道」の面を付け加えた一つの思考を促す装置となるように制作しています。古来のように版画がその時、その瞬間の社会との繋がりを取り持つことが出来れば、それはまさに「浮き世」であり、「現代」そのものであり続ける事が可能だと思っています。
何かを表現しようとする一個人の表現や行動が何らかの「伝達」「伝承」の機能を持ち合わせ「社会」との関係を限りなくリベラルな立場で「報道」することが可能であれば、それは何か大きな出来事や組織に立ち向かう可能性があるのではないかと思っています。それが、今もなお私を版画に向かいさせる動機であると同時に社会に立ち向かう為の方法であり、世界に対する私の姿勢です。

 

今回の展示では私が捉えている「版画」そのものの機能に加え、フロイトの自由連想法と精神分析理論で用いられる概念の一つ「防衛機制」から着想を得て作品上で転化し構成しています。展覧会名でもある「あったようななかったような」は一種の心の動きを示しています。ただ忘れてしまっているだけなのか、または思い出す事を難しくするように作用させているのか。
あの日、自然の大きな力と人間の作り出した制御しきれない力を見せつけられた時から私は全ての事象が私の中で無意識のうちに「あったようななかったような」ことにならないように綱渡りをしているような感覚にいます。その中で版画として作品を残そうとする私の営みは一種の防衛反応に近いのかもしれません。自分自身の中で無意識的に掘ってしまった穴にうっかり落ちないように気をつけながら。

菊池 史子

 

会  期

2012年7月14日(土)~8月4日(土)
火〜金 14:00-20:00 , 土 12:00-20:00

日、月、休廊 (開廊時間が変更になりました)

 

オープニング レセプション パーティ
2012年7月14日(土)18:00~20:00
Artist Talk

2012年7月21日(土)15:00~

ゲスト ながさわたかひろ、若木くるみ