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新藤杏子

田島弘庸 個展 How about that? -どないやねん-
Solo Exhibition by Hirotsune Tashima

YUKI-SIS では、12 ⽉5 ⽇(⼟)-19 ⽇(⼟)⽥島弘庸個展「How about that?-どないやねん-」を開催いたします。


1969 年広島⽣まれの⽥島弘庸は、1991 年に⼤阪芸術⼤学陶芸科在学中に交換留学で渡⽶。ヨーロッパの繊細な陶芸よりも、アメリカの型破りな陶芸のセンスに魅せられ、⼤阪芸⼤卒業後再度渡⽶。NY州アルフレッド⼤学院修了後、アメリカに約四半世紀在住。
現在アリゾナ州ピーマカレッジ陶芸学部⻑教授として教えながら、⼤阪のヨシアキイノウエギャラリーでの個展をはじめ、世界各地で展覧会、ワークショップやレジデンシーなどに招待され、異⽂化との交流を⾝近に感じて、⽇本⽂化を外から⾒た様⼦を取り⼊れた作品を制作しています。
パブリックアート多数。デビッド・ボウイコレクション、⾼橋コレクション、「たけしの誰でもピカソ」、キリンアワード奨励賞、岡本太郎賞⼊賞など。
⽥島は陶作品を作り始めた頃から、セルフポートレートスタイルを貫いています。⾃分の顔を登場⼈物に当て込むことで、本質への理解と表現を深めた作品づくりをしています。光と影、そして細部までこだわり抜いた彫像は説得⼒にあふれ、また釉薬と窯の熱、空気などが関係する化学反応による着⾊のみで彩⾊しています。


今回の展覧会タイトルは「How about that? -どないやねん-」


⼤阪で育った⽥島は、とにかく観る⼈を楽しませたいといいます。それは、お笑いという⽂化が根強く残る関⻄特有のセンス。
今回の展覧会タイトルの「How about that? -どないやねん-」というシンプルな表現の中には、いろんな意味合いが含まれているそうです。


「なんなのこれ?そうくるか!」と、驚嘆と意外性を楽しむ気持ち。
「おもろいやんけ!」 ⾃分の⽂化との違いを排除するのではなく、肯定する気持ち。


「アメリカに住んで25 年近くですが、⾃分が⽇本⼈であると、強く感じます」


「⽇本⼈のアイデンティティを感じつつ、アメリカに住み、世界中を旅して異⽂化に接すると、今まで培ってきた⾃分の常識がくつがえされる「どないやねん」的な経験に遭遇することが多々ある。それをただ否定するのではなく、「そうくるか」と楽しみ、受け容れ、ツッコミをいれる態度を「どないやねん」と表現したい。」
『私はそのスタイルではありませんが、あなたのそのスタイルも「アリ」ですね』 もしもそういった態度で相⼿を認め、個性として受け⼊れることができれば、世界で起こっている悲しい出来事は、少しだけ笑いに変わっていくかもしれません。


今回展⽰する作品には、⽥島が実際に体験した数々のエピソードが多く含まれているそう。

 

Honey, I Need More Flavor

"Honey, I Need More Flavor"(みそ汁に醤油ですか)
2015 / H170mm x W169mm x D110mm / 陶 Ceramic

 

この作品はアメリカのいい⾝分のカップルが⽇本⾷レストランでする会話から作品が作られています。
テーブルに味噌汁が⾷事前のスープとして運ばれてきました。
妻:Honey, I need more Flavor. あなた、もう少し味が欲しいわ。
夫:Oh, That's not a big deal, here is how you do it. ああ、⼤丈夫だよ。こうやってするんだ。
夫はテーブルに置いてあった醤油をどぼどぼと味噌汁に⼊れ始めます。
妻:I am Vegan as you know, How authentic! あなたも知ってるように私は菜⾷主義で醤油を使って、なんて本物の⽇本の雰囲気かし
ら。
こうした間違った⽇本⽂化の理解は、⾄るところで⽇常茶飯事に起こります。
しかし、俯瞰したものの⾒⽅をすれば、価値観は⼈それぞれで、何が正しくて間違っているということはありません。
ただ、⽇本⼈からみればおもしろいけれど、彼らはいたって⼤真⾯⽬です。

 

Easy Money‐Print Fake check, cash it, nobody bother to check who did it"

"Easy Money‐Print Fake check, cash it, nobody bother to check who did it"
2015 / H460mm x W420 x D320mm / 陶 Ceramic

 

 

これは男が簡単に偽物の⼩切⼿を印刷して、偽のサインをして現⾦化したのに、銀⾏も警察も犯⼈を調べたりしないというアメリカでの実話。
詐欺にあった⼈は、現⾦を取り戻せ、銀⾏は保険会社から保障され、保険会社は⽇頃保険料を⾼くとり、警察はちょっとやそっとでは動かない。
誰も損をしない、この筋書きを書いた犯⼈だけが得をする、嘘のような笑い話のような本当のお話。これがまかり通るアメリカ社会に「How about that? どないやねん」。


新作約8 点が展⽰される予定です。
ぜひご⾼覧ください。

 

会  期

2015年12月5日(土)~12月19日(土)
12:00~19:00

日、月 休廊   Suunday, Monday Close