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Beautiful Life  新藤杏子 個展

新藤杏子は1982 年生まれ。2007 年多摩美術大学大学院美術研究領域を卒業後、個展、グループ展の他、シェル賞入賞、Geisai Taiwan#2 審査員特別賞、Young Artist Japan 審査員特別賞を受賞、着実に実力をつけ、今脚光を浴びる若手作家の一人です。

真白い紙に下書きなしでいっきに描かれる水彩作品には、日本のサブカルチャーや小説、彼女自身の実体験を下に、「いきもの」の生態が描かれてきました。

 

今回の個展のタイトルは「Beautiful Life」。「美しさ」には同時に醜悪なものが存在し、生活、生き方、生命などを意味するLIFE には死というものが常に対局があります。

昨年の震災後、なにげない私たちの日常には「生」と「死や畏れ」が同じように自然に存在することをあらためて意識したという新藤。今までのアイコンとしての想像上の「いきもの」であった表現から、もっとリアルな生活の営みを「風俗画」として屏風や掛け軸という形で発表予定です。

 

Artist Note

これまで私はアイコンの生き物の営み、生活の様をどこか物語めいた、現実感の無いものとして落とし込んできました。水彩の持つ特性というべき独特な暗さや影よりも、ポップでどこか、ふっと笑ってしまうようなキッチュさを優先して引き出そうと考えていました。

それは、これまでの生活が永遠に続くような、また何とも言えない安定の不安、緩やかに進むだけの死への不安から、その物語の非現実的な一瞬を落とし込みたいという思いから発されていたものでした。

 

しかし昨年の大きな出来事によって、その考え方や作品の大きいテーマである「生活」「営み」は大きく揺るがされました。

永遠に続くような安定などはあり得ないことなのだということを突きつけられました。

生活をする、生きるということは常に死や何かに対しての畏れという影をはらんでいます。

それは突然訪れるかもしれないし、緩やかに迎えるものなのかもしれません。理不尽なものかもしれないし、合理的なものかもしれません。またそのことは、昨年のことがあっても無くても、本当はずっと寄り添っていたものなのに、私から失われ続けていたことに気がつきました。

 

そのことに気がついたとき、前に表現していたようなポップでキッチュであった人物との対話は2度と出来ない事も同時に考えることになりました。

昨年よりも前に何度か風俗画は着手していた事があり、ポップであったかつての生き物への弔い、またもう一度向い合う生き物に対して、『営み』『生活』を風俗画という形で表現できればと考えています。

 

今回大きな作品を屏風、小作品を掛け軸という形で全体を構成しようと思っています。

 

まず、屏風、掛け軸でジャポニズムという考えが浮かぶと思うのですが、それはほとんど関係がありません。

 

屏風の場合は、かつて生活に密着していたもの、また4曲屏風が切腹の時に使われていたということから「弔い」を連想させてくれる事、また掛け軸は、屏風と同じ空間にあり、なおかつ違和感が無い事、もともと仏教などの礼拝用としての意味合いがあった事。そしてどちらも、その様式の裏に潜んでいるものは、「畏れ」「死」といった影をまとっていたことが、選んだ大きな理由になります。

 

屏風には生き物達の営み、(沢山の生き物達がそれぞれに生活している様)、掛け軸は生活から連想させられる1つ1つの営みの形(例えば食べる、寝る等の日常行為)を描こうと考えています。

生き物達の何気ない日常の営みが、様式に見え隠れする「死」「畏れ」とともに、混じり合い、お互いにたたずんでいて、当たり前にあるという事がどういう事なのかを反芻する事が出来るように、水彩という一瞬で全てが決まってしまう素材で書き留められればと思います。

 

会  期
2012年5月19日(土)~6月9日(土)
12:00-19:30   日、月、休廊
オープニング レセプション パーティ
2012年5月19日(土) 17:00~20:00
オープニング レセプション パーティ
2012年6月2日(土) 15:00~