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新藤杏子 個展 “48”

Solo Exhibition by Kyoko Shindo "48"

新藤杏子 個展 "48"

 

会  期

2018年6月9日(土)~6月23日(土)
12:00~19:00

日、月 休廊 Closed on Sunday, Monday

 

YUKI-SIS では、2018年6月9日(土)-6月23日(土)新藤杏子個展「48」 を開催いたします。

 

48 kakemotare

-48 kakemotare- 2018  25.7×36.4 cm 紙にチタニウムホワイト、ガッシュ

 

今回の展覧会のテーマは、「四十八手」

 

1982年東京生まれ。2007年多摩美術大学大学院美術研究領域を卒業。YUKI-SISでは5回目の個展となります。ダイナミックな筆使いで、水彩や油彩など、多くの作品を発表してきた新藤杏子の今回の展覧会テーマは「四十八手」です。
 
想像と現実の狭間にある「いきもの」の営みを描き続けてきた新藤杏子は、水彩で語られる現代の風俗画ともいえる世界観を、「光と闇」、「生と死」、「善と悪」などをテーマに、いきものの根源的な姿として描き続けてきました。
 
今回のテーマに選んだ男と女の交わりの体位の種類を指す「四十八手」は、もとは江戸時代に絵師が書いた浮世絵春画が元になり、「江戸四十八手」とも呼ばれ今にいたります。この「48」という数字は、江戸時代の相撲の決め技48手が由来となっているとされ、古来から日本では「縁起の良いたくさんの数」という意味で、様々な種類のあるものに「48」という数字が使われてきたといいます。
 
新藤は今までも、春画などの男女の交わりなどをモチーフに多くの作品を発表してきました。彼女の持つ筆使いの特色―下書きなしで一気に描かれる線―は、動きと流れを感じさせます。今回発表される「48手」の作品は、チタンホワイトという画材で黒い紙に描かれています。
 
一見滑稽にみえるそのひとつひとつの体位ですが、どこか切なくなるような刹那さや狂気さを作品から感じられます。それは人間本来に備わる欲望と、一瞬の美を描いているからなのかもしれません。
 
今回描かれた「48手」は、48枚の原画とともに、新藤杏子のこだわりとともに作られた桐箱入りのプリントも限定10部で発表されます。

 

negoshi

-48 negoshi- 2018  25.7×36.4 cm 紙にチタニウムホワイト、ガッシュ

 


 

Artist Note

 

ドローイングを1日1枚描くようにしている。
全くうまくいかない日もあるし、興にのって何枚も作ることができることもある。
 
ドローイングを毎日描くのは、自分の感覚や考えを丁寧に確認して反芻する
作業であり、日々の記録を日記のようにとっていくためでもある。
 
そして、営みを作品のテーマにしている私にとって
絵を描くという行為が日常に溶け込んでいる、ということがとても大事なのだ。
 
48手はその中で出てきたドローイングの一部だ。
 
「人間の営み」という面と、「毎日描く」という行為がリンクし、
48手の一つを選び、描いた。
それがやがて連続したドローイングとなり、一つの形になった。
 
新藤杏子